東山
 若杉原生林の駐車場から中国自然歩道を林道沖ノ山線出合いまで
ひたすら歩く。 新しくできた登山道を東山頂上まで登る。
下山は往路を辿るが、芦津越えから吉川方面に降り
若杉峠を越えて出発地点まで戻る コース


標高      1,388m
所在地    鳥取県八頭郡智頭町、鳥取県八頭郡若桜町
歩行距離   15.4Km
登山日    2010年11月14日(日
天候      曇。
         時折日差しが有る程度の天気で、この時期にしては珍しく黄砂で
         霞んでいる。 それ以前大気の暖かい空気に冷たい風が入り込み
         ガスが山頂付近発生したり消えたりで沖ノ山が見える程度。

岡山の山MLメンバー
        森安さん
備考     田舎に帰り、春先から晩秋まで農作業と地域の付き合いで忙しく
        山に行く事はほとんど無かった。
        そろそろ農閑期になってきた頃、森安さんから東山登山の誘いの
        メールをもらい、同行させていただく事になった。
        東山は、確かヤブコギだと思っていたが、最近登山道が新しく作られ
        誰でも簡単に登れるようになった。
        以前は残雪期の山でしかなく、アプローチに時間がかかる登山マニアの
        山でしかなかった。
        林道沖ノ山線の峠に車を置いて、1時間程度で誰でも登れ、それなりに
        展望がある。
        また、糸白見からも登れるようになっている。
        登山道の根曲竹の刈り払い位置が高く、歩き難いのはいたしかた
        無い所だ。
        田舎に帰り、半年以上のブランクと、減量・女性化による筋肉減少の
        ハンディ?を持ちながら何とか歩けた事は嬉しい。
        途中、森安さんには時々待ってもらってすみませんでした。
        森安さん、ありがとうございました。 お世話になりました。

アプローチ  自宅を5時30に出発し、福渡を経由して国道484号線を走り
        菊ヶ峠を越える。 国道374号線を走り、林野を経由して
        待ち合わせのローソンへ6時40分到着。
        森安さんの車に乗せてもらい、若杉原生林駐車場に7時50分到着。
        駐車場に車は一台も停まっていない。
  チェックポイント 時間 標高 メ        モ
  駐車場 8:00 919m 若杉原生林の紅葉も終わりかけて、沢山の落ち葉を敷いた絨毯のような遊歩道を進む。 小川を渡り、石畳の遊歩道を登って行く。 最初の遊歩道の分岐を左に進み、小川を渡り、やや急な斜面を登って行く。 森安さんのペースが早いと思ったが、よく考えてみると私が遅くなっているのだ。 以前は付いて歩くのは分けなかったが、今では少し急になると離される。 この先が思いやられるなと思いながら、進み東屋を過ぎる。 この辺りは幾度となく歩いており見覚えのある景色だ。 木に名前が分かるように名板が付いているおかげで、落葉した木も名前を知ることができる。 段々緩やかにトラバースするように進むと、中国自然歩道のある県境尾根分岐に着く。
  県境尾根出合 8:35 1,125m ここから中国自然歩道を歩くが、見覚えのある「これより鳥取県人家遠し」の古びた標識がある。 確かにこの中国自然歩道を歩くからには、人家まで相当の距離があり、一人で歩くのは万が一を考えれば冒険である事に間違いは無い。 意外と歩く人達は多いので、平日以外であれば誰にも合わない事は無いと思うが、一人で歩けなくなると心細い物がある事は確かだ。 特に熊の心配が大きい。 吉川・芦津越えまでは、結構急な登り降りの階段が有るので、膝が心配になってくる。 幾つかのピークを越え、急な階段を降り切ると吉川・芦津越えに着く。
  吉川・芦津越え 9:10 1,077m 思っていたよりは、早いペースで歩いている。 これも森安さんが先行しているからで、自分一人だとこうはいかない。 ここからは急な階段もあるが、比較的傾斜も緩やかで、ペースは上がり易く順調に1,158.9m三角点のある狩谷山まで進める。 途中鹿の鳴き声が聞こえたりもする。 ただ、ほとんどが植林帯の中で景色も見えず、飽きがくる所でもある。
  狩谷山 9:35 1,159m 5分程度の休憩をとった後、更にだらだらと長い中国自然歩道を進む。 小さなピークは沢山有るものの比較的緩やかで歩き易いが、相変らず植林帯の中が多く、ただ歩くだけでは飽きてくる。 進んで行くうちに所々自然林が現れ、大きなブナの木が目に付くようになってくる。 根曲竹の刈り払われた所を過ぎると、落葉した自然林の隙間や上からから多少景色も見えるようになってくる。 大きく左に曲がり急な降りに階段に差し掛かると、長い中国自然歩道歩きも最後を迎える。 降りになると見えるはずの東山は、残念ながらガスの中。 気を取り直して、急な階段を降り終えると、舗装された林道沖ノ山線に降り立つ。
  林道沖ノ山線峠 10:15 1,116m しばし休憩をとり、出発するが、森安さんが目の前の獣道を指しこれが旧登山道だと言う。 一目見ただけでヤブコギの様相で、パスし、駐車場?となっている林道広場の先目印の有る所から登り始める。 以前残雪期に植林帯の中に道が有るのは分かっていたけど、これほど立派ではなくかなり手入れがされているようだ。 急な登山道は、登るにつれて根曲竹が多くなり、刈り払われているが、刈ってある位置が高く歩き難い。 ヤブコギでないだけましだが・・・。 ズボンの上から木の枝が摺っただけでも、薄くなっている皮膚から血が滲むほど柔な体になっているので、今の体だとヤブコギは無理。 植林帯を過ぎると、やや傾斜は緩やかになり、切開かれた根曲竹の中を登って行く。 途中大きなブナの木が多く、最初のピークまで登ると、ブナ林が素晴らしい。 目の前に東山頂上が見えてくるが、頂上までは、小さなピークを越えて滑り易いやや急な尾根を登り、更にピークを越えて登ると頂上は近い。。 
  東山頂上 11:15 1,388m 三角点の周りは切開かれ、展望があるが、残念ながらガスと黄砂で本日はそれほどの展望が期待できない。 氷ノ山は見えず、何とか沖ノ山、後山が確認できる程度。 少しすると、糸白見から2名登ってこられ、森安さんが記念撮影をお願いして、三角点を目印に、二人仲良く写して貰う。 後で森安さんからもらった写真を見ると、以前より私の顔の色がかなり白くなっている事に気付く。 お湯を沸かし昼食のカップラーメンとパンを食べていると、4名の登山者が登ってこられ、少し話をする。
  昼食後下山 12:00   いくら粘ってみても、ガスがそれほど晴れる事は無く、黄砂のせいもあり、展望は諦め下山する。 青色の「東山 1,388m」の標識が木に付いていたと思い探すと、意外な木に付いていて驚く。 雪のある時とは、状況が変わるので、位置的な記憶はあまり役に立たない。 滑り易い所は慎重に降るが、根曲竹の切り株に脚を引っ掛け、根曲竹の切り株がズボンの上からちょっと当っただけなのに、やはり血が滲んで痛かった。 保温材の綿が入った少し厚めのズボンだったのに・・・。 登山口近くまで降りて来ると、旧登山道も歩いてみたくなり、刈り払われた道を進むと、駐車場の一角に降りられる。 ここで止めておけば良かったのだが、この先で、湿地帯に突入、その先は刈り払いの粗い急斜面。 登った所は、先ほどの駐車場から峠に出る途中の林道だった。 峠からの旧登山道はやはり少しヤブコギで歩かない方が正解だった。
  林道沖ノ山線峠 12:40 1,116m 一息入れ、中国自然歩道の急な階段を登って行く。 ベンチが有る所まで登り、振り返ると朝見えなかった東山が見えるようになっている。 若杉峠から単調な中国自然歩道を歩いて来て、最後に東山が見えるこの瞬間が、このコースのクライマックスだと私は言い切れるほど印象的な景色に見える。 この急な階段を登り切ると、後は比較的緩やかなアップダウンで歩き易いが、さすがに脚もだいぶ疲れてくる。
  狩谷山 13:35 1,159m 帰りもここのベンチで一息入れ、吉川・芦津越えに向う。 所々にある、短いが急な階段が、疲れた脚に応えるようになってくると、吉川・芦津越えに着く。
  吉川・芦津越え 13:55 1,077m 地形図上では、芦津に向う道があるようになっているが、既に道はヤブに閉ざされ歩く人もいない。 ここから左に曲がり、吉川方面に降る。 植林帯の中をつづら折れに緩やかに降って行くと、水の流れる音が段々大きく聞こえてくる。 中国遊歩道は、小川に沿って降るようになり、道が平坦になってくると、林道沖ノ山線に出合う。
  林道沖ノ山線出合 14:15 826m 舗装された林道をわずかに歩くと、すぐ若杉峠に向う分岐がある。
  林道分岐 15:17 826m 入口は車が優に通れる広さの林道となっている。 幅広の林道部分が終わると、道幅は狭くなるが、良く整備された中国自然歩道となる。 以前壊れていた橋も整備され、土砂で流されていた急な階段も綺麗に直っていた。 所々急な階段が有るものの、小川に沿って歩き易い道が続く。 わずかな距離だが水が流れる湿地帯の中を進む。 春先から夏場は草が生い茂り、その時期は少し歩き難い所だが、泥の中に足を突っ込まない限り快適に歩ける。 所々石畳風のところが旧美作・因幡往来を感じさせてくれる。 周りの木上に空が見え出すと、若杉峠が近いことが分かる。 それほど急ではない道だが、疲れた脚にはこたえる。 先行する森安さんの姿は見えない。 やっとの思いで若杉峠に到着。
  若杉峠 14:50 1,055m 私がベンチで休憩をとっている間に、森安さんは若杉展望峰の休憩舎まで登り、景色を確認して来る健脚ぶりだ。 天気のせいか三室山とくらますが見えるだけのようだった。
  休憩後出発 15:00   峠のお地蔵さんに安全を祈願してから駐車場に向かい降って行く。 比較的緩やかな歩き易い道は、膝の悪い私にはとてもありがたい。 最初の遊歩道分岐を過ぎ、降って行く途中、森安さんは、積雪期での東山ルートを探っているようだ。 残雪期でも、私の脚ではまず無理と思う。 次の遊歩道分岐まで戻ると、石畳道の階段が続き、駐車場まで無事戻ってくる。
  駐車場 15:25 919m 駐車場には私たちの車以外1台の車が停まっており、どうやら観光客のご夫婦のようだ。 紅葉は終り、落葉しかけている若杉原生林は、ハイカーもいない状態だった。



登山ルート。
熊も怖いが、歩く距離が長いのが難点か?。


  

若杉原生林の中国自然歩道は紅葉も終り、       東山への登山口。
落ち葉の絨毯道だ。                     ケルンらしき物に棒が立っており、ピンクのテープが付いている。


  

植林帯の中に切開かれた急な登山道。         植林帯が終わると、根曲竹の中に切開かれた登山道。
                                 根曲竹の切り株位置が高く、歩き難い。


  

最初のピークは、見覚えのあるブナの大木が多い。   更に小さなピークを越えると東山が間近に見えて来る。


  

東山への最後の登りを急ぐ森安さん。          新しく作られた、糸白見への登山道。
私は常に後を追いかける。


  

東山頂上から見る沖ノ山。                 周りの根曲竹が刈り払われた三角点。
残念ながら霞んでいる。


  

東山頂上の刈り払い行止り。                林道沖ノ山線の峠から中国自然歩道を戻る。
晴れていれば、氷ノ山や扇ノ山が見えるはずだが
ご覧の通りのガスで全く展望は無い。


  

中国自然歩道の急な階段を登る。            吉川・芦津越え分岐を左(吉川方面)に降る。
ベンチが有る辺りまで戻り、振り返ると
朝見えなかった、東山が見えている。


  

林道沖ノ山線出口に着き、降って来た         見覚えのある、若杉峠への入口。
道を振り返る。                       道幅は広く、車が通れる。




若杉峠のお地蔵さんに挨拶する。
ここに来るのは久しぶり。
駐車場まであと少し。