大倉山・大滝の山
 林道入口から、尾根の踏み跡程度の道を辿り、大倉山に登る。
下山は、稜線の踏み跡を辿り、大滝の山まで行った後
反射板まで引き返し、反射板から巡視路を

降り出発点に戻る コース


標高     大倉山        1,063m
        大滝の山       1,043m
所在地    英田郡西粟倉村、美作市、八頭郡智頭町
歩行距離   4.4Km
登山日    2009年10月4日(日
天候      晴れ。 現地気温10℃。
         日差しが強く暑いが、気温と湿度が低く、汗をかいても爽やか。
         時折吹く風は冷たくて心地良い。

備考     岡山の山MLメンバーの森安さんと、FUKUSHIMAさんより尾根コースが
        難しいと聞いていたので、登りに尾根コース、降りに谷コース(巡視路)を
        選んだのだ。
        確かに尾根コースは、現状踏み跡程度の道でしかなく、目印のテープも
        少なく、歩く人もほとんどいないような感じであった。
        地形図とコンパスは必携であるが、技術的には登りの方が易しく
        それほど心配は無く、むしろ降りの方が難しい。

        プラスチック階段の巡視路がすぐ見つかると思っていたので、
        降りは安心していたのだが、反射板の辺りは、一面背丈以上の
        笹が茂り、プラスチックの階段が見つからない。
        下からこのルートを登ってくれば、分かったのだろうが、何せ今日始めて
        ここを降る計画だったので少し面食らった。
        とりあえず歩けそうな所から、突っ込んで行けば、ある程度の所で
        出合うだろうと思っていたが、考えが少し甘かった。
        やっと巡視路のプラスチック階段に出合えたのだが、尾根に沿って階段が
        付いていた。 地形図を確認してみるが、ハッキリ尾根と分るような
        地形図では無く、ここは地形図の読み方がかなり難しい。
        地形図では、最大10mの誤差は出るのだが、こう言う微妙な地形では。
        20m以上の尾根・谷の違いが出るように感じる。
        それは丸山でも経験した事だが、丸山以上にここはシビアだ。
        地形図上のほんのわずかな、脹らみが尾根となって現れている。
        地形図を見ただけで、ここに小さな尾根が有ると、判断できる人が
        どれだけいるだろうか、と言うレベルの所だ。
        おかげで背丈以上の笹の急斜面を、ヤブコギでトラバースする羽目に
        なってしまった。
        
大倉山の三角点は、1,055.0mだが、山頂は1,063mである事を
        GPSで確認しました。
        大滝の山は、山陽新聞社の岡山県万能地図において、三町(西粟倉村、
        旧勝田町、智頭町)の境にある山で、標高1,043mと記されています。
        この辺りは、わずかの違いで、ピークが2つあり、GPSで確認すると、
        一番西の端のピークが1,041m、その手前のピークが1,043m
        なっていました。
        そこで、大滝の山は、1,043mピークで間違いないと判断し、
        このページでは大滝の山を、1,043mピークとして紹介しています。
        2つのピークの距離は、40mぐらいです。
        以上をふまえて私なりに考えてみると、ピークに付けられた名前が違う
        だけで、基本的には、大倉山=大滝の山と考えても差し支えないと
        言う結論です。

アプローチ  自宅を5時30分に出発し、国道429号線を足守から建部に抜ける。
        国道484号線を吉井町に向けて走る。
        国道374号線を林野に向けて走り、美作市勝田総合支所
        (旧勝田町役場)から、久賀ダムの側を通り、右手峠を越え
        1Kmほど下った林道入口から、更に20mほど下った道路の少し

        広くなった路側に7時55分到着、駐車。
        この路側に2〜3台駐車可能だが、その少し手前の、
        左ヘアピンカーブの右奧の空地に9〜10台程度駐車が可能。
        (登山ルート図参照)
  チェックポイント 時間 標高 メ        モ
  駐車位置 8:05 565m 駐車位置から舗装路を少し戻ると、舗装された林道入口に「(第2)大倉山登山口」と書かれた、手作りの指導標がある。 (第2)と言う意味は全く分りませんが、他にも登山口が有るからなのだろうか?。 林道両側から、所々ススキが林道側へ張り出している。 やや急な林道を登って行くと、すぐ右側に空地が有り、その先に舗装路が見えている。 車も10台程度駐車できそうで、舗装路から入れるので、ここに車を停めれば良かったと思った。 更に登って行くと、林道分岐があり、未舗装の林道を少し進むが、方向がおかしいと気付き、引き返す。 この林道は、後で気付いてが、降りコースへの近道だった。 更に舗装路された林道を登って行くと、舗装された林道が二手に分かれる所がある。 真中に尾根が見え、分岐から少し入った尾根に、「トレッキングコース → 大倉山(標高1,063m)」と書かれた白い小さな手作りの指導標がある。 指導標には、更に「この尾根が登山ルート →」と更に書き加えられている。 踏み跡は感じられないが、潅木がまばらに生える尾根に取り付く。 尾根芯に向かって、右にトラバース気味に登って行き、尾根の中心を登るようになると踏み跡が見つかる。 概ね左側植林、右側自然林の急な尾根を登って行く。 所々潅木の枝が邪魔をする。 一旦緩やかになった後、再び急な登りになり、尾根に岩が出てくる。 大きな岩を右に巻いて、右側に長細い大きな岩が突き刺さった所の側は、かなり急で登り難い。 岩の多い急な尾根が緩やかになると、第1小ピークに着く。 
  第1小ピーク 8:50 819m 切り倒された木に座り、一息入れる。 植林の中、わずかに降ると、北東方向に、木立ちの上から、沖ノ山に続く山々が見える。 ほんの少しの間、平坦な植林の中の道は、すぐ急な登りになってくる。 登って行くと、植林の中にも笹が多くなってくる。 胸丈程度の笹で、踏み跡を探すように登って行く。 登り切ると、真中が少し窪んだような地形で、踏み跡が無くなる。 そのまま尾根を登ろうとすると、笹が茂っているので、ヤブコギとなる。 ヤブコギはしたくないので、窪地を避け、切り倒された木を避けるようにトラバース気味に左側の尾根に向かう。 この尾根も笹が茂っているが、尾根に近づいて見ると、踏み跡が見つかり、尾根に沿って笹は無く、登り易い。 登って行くと、笹が生えた先ほどの尾根と上部で合流する。 しっかりした踏み跡を辿り、登って行くと、植林から自然林へと変わって行き、上部木立ちの合間から青空が見え出す。 尾根に岩が多くなり、やや急な尾根を登り切ると、第2ピークに着く。
  第2小ピーク 9:20 975m 気持ち降り、踏み跡を辿りながら登って行く。 自然林の中に、ブナの木が多くなってくる。 大きなツキヨタケが生えている。 岩が多くなり、所々踏み跡が怪しくなるが、尾根に沿って上に登って行くと、上部に青空が広がり、開けた稜線に飛び出す。 どうやらここが大倉山山頂のようだが、山頂を示す物は何も無い。
  大倉山頂上 9:35 1,063m 大倉山山頂から南側の展望はバツグンだ。 東に駒の尾山、鍋ヶ谷山、船木山が見える。 後山は船木山の陰になり、残念ながらこの山頂からは見えない。 その南側に、日名倉山が見える。 南側には、袴ヶ仙が見え、瀬戸内海が見えそうだが、霞んでハッキリとは確認できない。 山頂の大きな木が倒れ、北側も多少の展望がある。 すぐ北側に、登頂意欲をそそる、穂見山があり、東側には沖ノ山が確認できる。 鳥取市が見え、海岸に沿って風力発電の風車が3基見え、日本海が確認できるが、海岸線は霞んでハッキリしない。 山頂には、シャクナゲが多く、花の季節、5月連休前ぐらいに一度来て見たいものだ。 三角点へは、東に背丈以上の笹の中の踏み跡を辿り、2〜3分降った地点にある。 少し早いが、ゆっくり景色を楽しみながら昼食にする。 日差しは暑いが、気温と湿度が低く、風が吹くと寒さすら感じる季節になってきた。
  昼食後下山 10:30   昼食後、来た道を気持ち戻ると、左側に反射板が見える。 反射板に向って、笹の中の踏み跡を降る。 反射板は、大倉山頂上から標高差で25m、2〜3分の距離だ。 反射板の側から見える、那岐山が素晴らしい。 大滝の山を確認のため、稜線に沿った踏み跡を辿る。 背丈以上の笹が茂っているが、踏み跡は明瞭な所が多い。 軽いヤブコギで西の端の、三町の境にある大滝の山まで歩く。 反射板から大滝の山まで、5分程度の距離だ。
  大滝の山頂上 10:40 1,043m 大滝の山頂上は、木立ちに囲まれ展望は全く無い。 確認だけして、すぐ引き返す。 反射板まで戻り、巡視路の降る道を探すが見つからない。 反射板の周りを鎖で囲んであるが、背丈以上の笹が茂り、鎖が見えなくなっている所もある。 こんなはずでは無かったのだが・・・。 来た道をすなおに引き返せば良いものを、歩き易そうな所から笹のヤブに突っ込んだ。 適当に降って行けば、途中で巡視路に出合うだろうと言う、かなり甘い考えだった。 歩き易い所ばかり選んで、適当に進むので、思ったように行かない。 ある程度時間が経った時、これではいけないと、GPSで確認する。 意を決して、背丈以上の笹の急斜面をトラバースし、たぶんこの辺りに巡視路があるだろうと言う方向に進む。 小さな枯れ沢を渡り、すぐ先の尾根まで、背丈以上の笹の中、急斜面をトラバースする。 小さな尾根に出ると、岩と潅木の中の尾根芯に沿って降る。 急な岩場を、木に捉まり降りようとした瞬間、私の腕よりも太い木が、途中からポッキリ折れてしまい、頭から転げるように落ちてしまった。 頭から地面に突っ込む形で着地。 幸いな事に、頭の下には、沢山の木の葉が溜まっており、それほど頭を打ったと言う感覚は無い。 落ちるとき、左肘と左手が岩に当ったようだが、長袖の服と手袋をしていた為、小さなかすり傷で清んだ。 落ちた高さも、わずかだった為か、次の日首が少し傷んだがが、翌日には直っていた。 気を付けないといけない。 この辺りの木は、少々太くても、全く頼りにならない。 気を取り直して、岩場を降りるが、案の定太い木がまたしても折れた。 さすがに注意していたので、ここからは岩場も無事通過。 少し降りて、右を見ると黒いブラスチックの階段があり、巡視路に出合う。 ここで少し休憩を取り、傷の手当てをする。 わずかに皮が剥け、血が滲む程度だが消毒し、2箇所カットバンを貼っておく。 山ではどう言う事が起きるか分らないので、注意しましょう。 何事も予測される事態に対し、最低限の装備は必要ですね。 後は黒いプラスチックの階段を辿って降りるだけだが、所々土で埋まりかけていたり、急な斜面では崩れ落ちていたりする。 こうなると、ゴミでしか無く、これほどの物が必要なのかと思う。 どうせなら、黒色ではなく、白色とか黄色だと分かり易いのではないだろうか。 などと思いながら降って行く。 小さな沢を渡ると、小さな沢沿いに、水の流れる音を聞きながら進み、広い林道終点に出る。
  林道出合 11:40 715m 林道終点には、「無断入山禁止 本山林に無断立入を禁止する・・・ 上町 井筒屋」の立て札がある。 降りてきて、立入禁止と有っても、既に遅い。 せめて連絡先ぐらい書いてくれないと、事後でも連絡のしようがない、と言う事で無視する。 未舗装の林道を、トボトボと降ってある程度行くと、最初間違えた林道の分岐がある。 入口は草が茂っているが、近道となる。 その先で、林道は舗装に変わり、朝登る時の尾根が有る、林道分岐に出る。 舗装された林道をゆっくり降り、駐車位置まで戻る。
  駐車位置 12:00 565m 車の側で、体とザックに付いた、ヤブコギのゴミを落とし帰る事にする。 この道は、あまり車が通らないが、途中でススキを採っている人がいた。



登山ルート。
青色線が巡視路だと思う。


  

ブナのある自然林と植林の      稜線が近くなると、尾根に岩と潅木、笹が多くなってくる。
尾根を登る。


  

大倉山頂上東側の展望。                大倉山南側の展望。
写真左側に、駒の尾山、鍋ヶ谷山、          中央に袴ヶ仙が見える。
船木山と続いているのが見える。
その右側(中央)に日名倉山が見える。


  

大倉山頂上北側の展望。                 大倉山頂上北東方向の展望。
穂見山が見え、鳥取市と日本海、            右端に沖ノ山が見える。
風力発電の風車が3基見える。              手前にシャクナゲの木がある。




大谷山頂上の三角点。
大倉山頂上より、東に背丈以上の笹の中、踏み跡を辿り、2〜3分降った所にある。




反射板からの展望。
那岐山が見える。