くらます
 奥田橋先から林道終点まで歩き、西尾根に取り付きくらますに登る。
下山は往路を降る


標高      1,282m
所在地    鳥取県八頭郡若桜町
歩行距離   5.8Km
登山日    2009年3月29日(日
天候      晴れ。 現地気温1℃
         雲が多いものの、頂上は日差しが有るが気温が低く寒い。

備考      前日までに新しく降った雪があり、稜線上で30センチ以上の雪があり、
         その下に古い雪の塊が残っている。
         稜線までの尾根には、新しく積もった雪だけであるが、それでも30
         センチ前後の雪があった。
        登るにあたり、「中国地方の山歩きとサイクリングのページ」を参考に
        させてもらいましたが、ルートは状況に合わせて独自に探しました。
        林道から植林帯の尾根には標高900mあたりまで作業道が付いており、
        その先は急な植林帯の中を登るようになる。
        更にその先は、膝丈程度のまばらな笹が生えている自然林となり、
        稜線まで続いている。
        稜線上は根曲竹が生い茂る為、積雪期以外は難渋しそうだ。

アプローチ  自宅を4時55分に出発し、国道429号線を走り、足守から福渡に抜け
        国道53号線を鳥取に向かう。 那岐山はガスがかかっているが、かなり
        下の方にも雪が確認できる。 那岐トンネルを抜けると少し路面が
        濡れたようになっている。 黒尾トンネルを越え智頭を過ぎると、今雨が
        上がったばかりですと言わんばかりに路面が濡れ、周りにガスが出て
        近くの山々はガスの中。 帰りたくなる気持ちをこらえ、河原まで走る。
        川原から東に向かい、国道29号線に出て、道の駅「はっとう」で少し
        休憩する。 さすがに遠い。 国道29号線を姫路に向けて走り、岩屋で
        右折。 吉川川に沿って、若桜南光線を走り、吉川集落を過ぎ、奥田橋を
        渡り、センターラインが無くなった所のカーブ左端の少し広い所に
        8時5分到着、駐車。
        ここから先、植林の中は雪が残っており無理せず、ここに駐車する事に
        決めた。
  チェックポイント 時間 標高 メ        モ
  駐車位置 8:20 598m 舗装路を緩やかに降り、植林の中に入ると右ヘアピンカーブの先に未舗装の林道があり、これに入る。 林道は左側の谷川に沿って緩やかに登って行く。 積雪は概ね5センチ程度で、所々林道の土が覗いている。 未舗装からコンクリート舗装の林道になり、砂防ダムの上まで来ると、林道は雪で覆われている。 登って行くに従い、雪の量は増えてくる。 降ったばかりのような、サラサラ、フカフカのパウダースノーで、歩くと「ギュ、ギュ」と小気味良い音がする。 林道終点が近くなると積雪は15〜20センチに達する。
  林道終点 8:50 795m 予定していた登山ルートは、木の枝の雪を頭から被りそうな為、ルートを探す事にし、回りを偵察する。 林道終点よりわずかに戻り、小さな谷川を挟んだ右側植林帯の斜面をトラバース気味に登って行く。 雪で滑って歩き難いが、注意しながら登って行くと尾根筋に出る。 雪が積もっているのでハッキリとは分らないが、尾根には広く立派な作業道が付いているようだ。 そのまま尾根を登って行くと、尾根が急になってきて、作業道は尾根の右側を登るようになるが、そのまま尾根芯を登って行く。 かなり急斜面のノッペリとした広い尾根を右にトラバース気味に登って行く。 段々尾根は狭くなってきて、植林帯最上部に着く。
  植林最上部 9:20 989m ここからは、膝上程度の笹がまばらに生えている自然林の中を登るようになる。 植林帯最上部の木に赤テープが付いている。 先ほどの植林帯の中と同じく、急で新雪の雪で登り難い。 登って行くに従い、尾根は一旦狭くなる。 空洞があり、リスでも住んでいそうな特徴的な木が一本ある。 ここから更に急にになり、尾根は広くなってくる。 かなりの急登で、滑って登り難く、手を開いた状態で雪の中に突き刺すと、滑らず楽に登れる事が分かった。 人間版四輪駆動である。 相当急な斜面で、新雪の場合はかなり使える技だ。 但し、インナー付きの手袋をはめていたが、手が冷たくなるのが欠点だ。 所々雪が少ない所は、笹が覗いているが、それほど邪魔にはならない。 標高1,100mを越えると、樹氷が出迎えてくれる。 太陽の光に輝いて疲れを忘れるような光景だ。 一旦平坦になると、稜線に出て、その少し先で再び登りになるが、膝上丈の笹が雪の上に覗いている。 笹を踏みつけながら、登って行くと傾斜が緩やかになってくる。 稜線上の根曲竹が雪に埋まっているが場所によっては、雪から覗いており、避けながら歩く。 段々根曲竹が雪から覗いているのが多くなり、潅木の枝と相まって少し歩き難い程度。 最後頂上近くになると、完全に根曲竹は埋まり、フカフカの雪の上をトレースを付けながら頂上に到着する。 雪の上は鹿が歩いた跡が有るだけ。
  くらます頂上 10:20 1,282m 頂上の木の枝には、「ワンゲル鳥取」の記念フプレートが付いている。 北側はブナの木で展望は得られないが、東側と南側は展望が良い。 すぐ近くに三室山が見え、南に後山、西に東山、その少し南に沖ノ山、霞んでいるが遠くに何とか大山が確認できた。 頂上岩の上の雪を踏み固め、岩に腰掛け景色を見ながら昼食にする。 風は無く、晴れて日差しは暖かいが、気温が低く寒い。 昼間でも吐く息が白く、昼食後じっとしていると、寒くてかなわないので40分そこそこの休憩で下山する。
  昼食後下山 11:00   登って来た自分のトレースを辿りながら降って行く。 特に稜線から尾根への降りは、気を付けなければならない。 うっかりしていると高倉へ行ってしまう。 尾根の降りは急なので、滑らないように注意しながら、木の枝を掴み降って行く。
  植林最上部 11:25 989m 植林帯の上部もかなり急な為、注意しながらゆっくり降る。 作業道がある所まで降りてくると、一安心でどんどん降って行く。途中で植林の中を登って来た通り降りようかと思ったが、この作業道は何処から続いているのか知りたくて、そのまま降って行くと、最後木の歯止めの有る所で終点になる。 下を見ると10mほど下に林道が見えるが、垂直に切り取られている為降りられない。 植林の中を左にトラバース気味に降って行くと、林道ヘアピンカーブの所で林道に降りる事ができる。 ここまでは気温が低かったせいか、雪は全く融ける気配が無く、最後までサラサラの雪だった。
  林道出合 11:45 776m さすがに林道まで降りてくると、雪が融けかけており、コンクリート舗装の林道の雪はかなり薄くなってシャーベット状。 砂防ダム手前まで降って来ると、早い所では林道に点々とコンクリートが見えて来ている。 日当たりが良いと、コンクリート舗装の林道の雪解けは早い。 谷川に沿って降り、舗装路に出て駐車位置まで戻る。
  駐車位置 12:05  598m 雲が少し多くなってきて、少し肌寒く感じる中、帰りに不動院岩屋堂に寄ってみる。 岩の洞窟の中にお堂が建てられている。 国道29号線を宍粟郡波賀町経由で帰る事にし、新戸倉トンネルを兵庫県側に出ると、国道に雪は無いが、回りには、なんと1m以上の雪がある。 辰巳峠でもこれほどの雪は無く、この辺りは雪が多い所だと改めて感じた。



登山ルート。
登りは林道終点経由で登り、降りは林道出合に降りる。


  

帰りに寄った不動院岩屋堂。           植林帯最上部の先にある変わった木。
                             木の穴にリスでも住んでいそうな感じだ。


  

標高1,100mを越えると自然林の樹氷が美しい。       雪が少ない所は、笹が覗いている。
青空に樹氷が輝いて見える。




くらます頂上よりすぐ側に見える三室山。




くらます頂上より西側の展望。
雪がタップリある、東山が見える。




くらます頂上より南側の展望。
写真中央より左側が、後山。
写真中央奥側に駒の尾山、右側のダルガ峰に続く稜線。
頂上にはブナの幼木が多く、樹氷が美しい。