寂地山
 寂地峡場駐車場を出発し、寂地林道から寂地山に登る。
寂地山から稜線を縦走し、右谷山まで歩く。
下山は、みのこし峠まで引き返し、遊歩道を
降り出発点に戻る コース


標高      寂地山        1,337m
         右谷山        1,234m
         錦岳         1,266m
所在地    山口県岩国市、島根県鹿足郡吉賀町
歩行距離   14.3Km
登山日    2009年9月20日(日)
天候      晴れ。 現地気温13℃。
        さすがに涼しい。 木陰でじっとしていると寒さえ感じる。
アプローチ  自宅を5時に出発し、鴨方ICから山陽自動車道に入り、一路広島へ
        向う。 広島までがかなり遠い。 さすがに高速1,000円の効果は
        絶大で、こんな早朝からでも下り線は込み合っている。
        福山を過ぎた辺りから、空が白みかけてくる。

        広島JCTから、広島自動車道に入る。 広島北JCTで中国自動車道
        入り、吉和ICで降りる。 中国自動車道は、思ったよりもかなり車が少ない。
        国道186号線を岩国方面に向けて走り、吉和の森ゴルフクラブの先で
        国道434号線に右折する。 冠高原スキー場を過ぎ、松の木峠から
        細い道を下って行く。 寂地峡の標識で右折し、更に橋の手前で右折する。
        寂地峡キャンプ場まで林道を走ってみるが、キャンプ場にはほとんど車が
        車が停められそうに無いので、最初の見た寂地峡案内所前の、広い
        駐車場に7時45分到着、駐車。
        駐車場にはまだ、車は2〜3台程度で、がら空き状態。
        この駐車場の南側の橋を渡った所にも広い駐車場があるが、そこには
        一見100人程度はいると思われる、団体が整列し出発式か何かの
        話の真っ最中。 オリエンテーリングだろうか?。
        高速道路代 : 片道1,000円(鴨方IC 〜吉和IC)。

備考     シルバーウィークと言う事で、込み合う山を避けて少し遠くの山へ行く事に
        する。 寂地山と言う、言葉の響がなんとなく魅力的で行く山を決定。
        隣接県で高速道路を使う事はまず無い、と言うより必要性を感じて
        いなかったが、さすがに日帰りで山口県ともなると高速道路を使用する。
        トルコンのオートマ車は乗り方で、燃費が極端に変わると言う事が、経験上
        良く分っている。 私の車ノアだと、追い越し車線をビュンビュン走ると
        リッター当り、8Kmぐらいしか走らない。

        高速走行で燃費を悪くする原因は、100%空気抵抗である。
        高速道路だと燃費が悪くなるので、90〜100Km/hの一定スピードで
        走る。 特に大型の長距離トラックは一定スピードで走り、急ブレーキなどは
        ほとんどない事から、ピタッと付いて走り、スリップストリームを利用し、
        燃費を低減する。 この効果は絶大で、今回1リッター当り、15Kmをマーク。
        カタログ上、ノアの10・15モードでの燃費は、14.2Kmで、十分満足できる。
        スリップストリームは、車間距離を詰めれば、詰めるほど効果が大きいが、
        危険なので、車間距離は、安全な距離を取りましょう。
        小型の乗用車よりは、大型のトラックの方が、巻き込む空気の渦が大きく
        車間距離をとっても、その効果が十分期待できます。
        追い越しも、ゆっくり加速し、じっくり追い越すことで、燃費の悪化を防げる。
        寂地山は、西中国山地では横綱級の山とガイドブックに書かれていたが、
        この連休にもかかわらず、出会った登山者は2名だけ。
        伯耆大山に比べて、標高で100mほど少ないだけだが、歩く距離が長く
        山頂からの展望が無いのも、人気が無い原因のようだ。
        おかげで、静かな、ゆったりとした山行になった。
        右谷山まで歩くと、大山に登るよりも標高差は大きく、おまけに、
        歩く距離が長く、脚に軽い筋肉痛があり、十分過ぎる山歩きとなった。
        今回の登山は、滝や渓谷美を見ることに主眼をおき、山を歩く事を
        楽しみにするようなコースになっている。
        また、今回の見所の一つとして、木馬トンネルがある。
        このトンネルはケヤキ、ハンノキ、ブナ、ツガ、スギなどの木材を
        運び出す為に、岩盤に手のみで堀り、10ヶ月の歳月を費やしたと
        されている。 意外と長く、感心した。
        これらの木材は、丸木を敷き並べた木馬道の上の木馬に積んで
        人力で運び出していたようで、木馬トンネルと呼ばれている。
  チェックポイント 時間 標高 メ        モ
  寂地峡駐車場 7:55 476m 駐車場から舗装された寂地林道を緩やかに登って行くと、4〜5分で五竜の滝が見えてくる。 キャンプ場の中を横切り、滝を見てから、林道に復帰する。 引き続き舗装された林道を、緩やかにだらだらと、登って行く。 途中1台の車が追い越して行った。 これから寂地山に登る人だろうか?。 だらだらと登る舗装された林道も意外と長く感じる頃、休憩舎が見えてきて、犬戻歩道入口に着く。
  寂地峡犬戻歩道入口 8:30 666m 林道には三角錐のパイロンが並べられて、ここから先、車は通行止めとなっている。 先ほどの車が停まっているが、人影は無い。 ここは林道が少し広くなっており、車が数台停められそうだ。 休憩舎の側から犬戻歩道に入り、急なコンクリート階段を登って行く。 蜘蛛の巣があり、手で払うが、蜘蛛の巣が有ると言う事は、先ほどの車の人は、ここを通っていないと言う事が分かる。 コンクリート製の良く整備された階段は、少し味気ない。 登りきると、目の前に滝が見える。 これは犬戻の滝では無い。 右側岩から張り出すように、木道が付けられており、先ほど見てた滝の上を歩くようになる。 木道から、滝を上から見下ろすような格好で、なかなか凝った作りだ。 擬似木の階段とコンクリートや、木道の味気ない遊歩道だが歩き易い。 少し歩くと犬戻の滝が見えて来る。 滝壷まで踏み跡があり、行って見る。 犬戻の滝は、真っ直ぐこちらに流れていなくて、上部は方面を向いているようだが、途中右に振って、滑り台のように回り込んで流れてくる。 滝正面の岩場を登れば、もう少し違った見方が出来そうだが、時間の都合で、滝壷から見ただけで、休憩用のテーブルとイスがある休憩場所まで戻り、犬戻の滝の説明板を見ながら、一息入れる。 遊歩道は滝を右に巻きように、やや急な階段となっており、つづら折れに登って行くと、寂地林道への分岐がある。 遊歩道は緩やかに降り、95mで終点となるようなので、分岐をそのまま右に曲がり、急な階段を尾根に沿って登って行く。 寂地林道分岐から5分程度で林道に出る。
  林道出合 9:00 813m 寂地山山頂3.3Kmの指導標があり、まだまだ先は長い。 ここから未舗装の林道を緩やかに、だらだらと登って行く。 路面の状態は良く、乗用車でも問題なく走れる林道だが、先ほどの犬戻の滝歩道入口で通行止めとなっている。 左側川の水面が、遠ざかったり、近くに見えたりで、途中にまだ沢山の滝が有るのだろうか?。 この林道歩きも少し飽きてくる頃、林道終点に着く。
  林道終点 9:30 898m 林道終点には、車が数台置けそうな広さがある。 メウゼン川に掛かるコンクリート製の橋の袂には、登山ルート案内図が貼られいる。 橋を渡ると、寂地山登山口の指導標があり、登山道を緩やかに登って行く。 比較的緩やかで、だらだらと登って行くと、登山道に胡桃のような木の実が沢山落ちている。 良く見ると、割れて茶色の栗のような実が見える。 あたりを見回すと、沢山の実が落ちており、これはトチの実だと直感する。 ザックからレジ袋を取り出し、拾い集めた。 トチの実はアルカリ性のアクが強いので、そのままでは苦くて食べられない。 アク抜きしてトチ餅にすれば大変美味しい。 待っていればいくらでも落ちてくるので、次の日曜日でもまだまだ沢山拾えると思います。 何せ歩く人が少ないので、こんなもの拾っていく人が沢山いるとは思えない。 5分程度、ザックがパンパンになるほど拾い、重たくなったザックを担いで出発する。 ザックが重たく、トレーニング登山に早代わりしてしまった。 逆コースだと良かったのだろう。 重たいザックに喘ぎながら、尾根のやや急な階段を登ると、尾根をなだらかにトラバースする道になる。 少し行くと、延命水の札がある。 林道終点・寂地山登山口から30分程で延命水のある場所に付く。 苔生した岩からポタポタ落ちる延命水。 小さなコップに溜まるまで2〜3分。 ちょうど良い小休止となった。 延命水を飲むと、なんだか元気が出てくる。 たぶん気分的なものだと思うが・・・。 勢いで出発。 ここからやや急な道になり、背中の重い荷物に喘ぎながら、登って行く。 だんだん、周りの山が低く見えて来ると、目指す先の木立ちの合間から青空が見え出す。 緩やかになると、ベンチが見え、稜線の縦走路に着く。
  稜線出合 10:35 1,288m 縦走路に沿ってロープが張られ、「カタクリ自生地 入ったらダメ!!」の立札がある。 5月連休前にはカタクリが見られるようだ。 寂地山頂上まで0.2Kmと有り、後わずかの距離だが疲れたので、ベンチで一息入れる。 緩やかに登って行くと、木のトンネルを潜る。 その先に大きなブナの木が見え、なだらかな寂地山頂上に着く。
  寂地山頂上 10:45 1,337m 周りをロープで囲まれ、ここもカタクリの自生地となっている。 周りを木立ちに囲まれ、山頂からは全く展望が無い。 太いブナの木の側には、小さな「そうさい神社」の社がある。 近くに「第十八回 山口国体 炬火採火之地」の石柱がある。 他には、頂上を示す「寂地山頂上標高1,337米 山口県」の標柱があるだけ。 テーブルとベンチが数セットあり、座って休憩する。 お腹も空いたので、パンをかじる。 木陰で日差しが遮られ、風が通るので少し寒いぐらいに感じる。 誰も登って来る人も無く、貸しきり状態。 頂上から地形図に書かれている道が、冠山方面に続いている。
  休憩後出発 11:15   ゆっくりくつろいでいると、上着を着ていても寒さを感じ、出発する。 来た道を戻り、稜線出合までは5分程度で降る。 そのまま緩やかに降って行き、緩やかな登りとなる。 登りきった所が1,309mの南寂地山で、なだらかな山頂だ。 地形図上で書かれている道と、実際の道は少し異なる。 ここからアップダウンはあるものの、だんだん降って行く。 広い稜線の道は、日当たりの良い所は、腰丈程度の笹や草が両側から張り出し、縦走路が見え難くなっている所が有るが、ほとんど木陰の自然林の中で、木漏れ日が時折まぶしいぐらいだ。 狭い稜線になると、木立ちの合間から、わずかだが景色を見ることができる。 地形図上は、1,235mピークを通るようになっているが、実際はこのピークを南に巻き、緩やかに降って行く。 ここで今日始めて、1名の登山者とすれ違った。 若い人だったが、少ししんどそうな顔をしていた。 その訳は、この先で少し急な降りの階段となっていて、納得。 急な階段を降りて行くと、なだらかになり、ベンチのあるみのこし峠に着く。
  みのこし峠 12:00 1,124m ベンチで一息入れ、「右谷山 0.8Km 30分」指導標に元気付けられ、出発。 目の前に、木立ちの合間から右谷山が見えていると思ったが、実際は錦岳だった。 最初は緩やかだが、徐々に階段は急になってくる。 20分弱で右谷山手前のピーク、錦岳に着く。 指導標には、1が消えかかって「右谷山 15分」とある。 指導標の後ろには、手作りの「錦ヶ岳 1260M]の札が掛けてある。 ここから緩やかに階段を降り、登り返すと右谷山頂上に着く。
  右谷山頂上 12:30 1,234m 木立ちに周りを囲まれ、ほとんど展望はない。 地形図上の南に尾根を降る道は植林の所でヤブコギとなる。 小五郎山方面に登山道は整備されており、階段の降りとなっている。 ガイドブックには数分進むと展望地があるとなっており、少し降りてみるがなかなか、それらしき所に着きそうに無く、引き返す。 地形図を見てそれは、1,153mピークでは無いかと思った。 1,153mピークから林道に降りる事が出来、駐車場まで歩いて帰れるが、遠くなりそうなので、今回はやめる。 ベンチに腰掛け、ゆっくり昼食にする。 昼食を食べていると、1名の登山者が登って来られ、昼食をとりながら話をする。 その方はこのまま縦走されるようだ。
  昼食後下山 13:00   十分休んだ後、来た道を引き返す。 さすがに脚が疲れてきて、錦岳への登り返しがしんどい。 錦岳からの急な降りの階段もこたえる。
  みのこし峠 13:20 1,124m みのこし峠から南に、やや急な階段を降って行くと、少し景色が見える所がある。 小さな枯れ沢を何度か渡り、降って行くと、右側の沢に多少水が見られるようになってくる。 みのこし峠から、30分程度で最初の赤い橋に着く。 ベンチが2つ有り、一息入れる。 ふと見ると、トチの実がここにも落ちている。 沢山拾っているので、見るだけにし、橋を渡り緩やかに降って行く。 ここからも所々、トチの実が落ちている所がある。 2つ目の橋を渡り降って行くと、観光客の一家4名に出合う。 この先の道や、観光地などを尋ねられたが、観光してもこの先の橋までで、一周すると5時間程度掛かると、話すと引き返されたようだ。 私は一足先に失礼した。 ここからは渓谷美が続く。 綺麗な清んだ清流の流れ、大きな岩など眺めながら、降って行く。 ほとんど平坦に近い降りだが、滝が有る所で、つづら折れに階段を降り、滝を見学する。 木立ちが邪魔で、完全には見えない。 ベンチがあり休憩できるが、滝を見た後は、行止りの為引き返し、登って行く。 5つ目の橋を過ぎると、渓谷の上を歩く木道があり、下を見ると渓谷美が見え素晴らしい。 この辺りまで来ると、遊歩道は、沢の岩の上を歩いたり、岩場の斜面の道など、変化に富んで面白い。 竜ガ岳観音への分岐があり、200mの階段の登りで、疲れているので、パスする。 そのまま、進むと木道トンネルが見えてくる。
   木馬トンネル入口 14:45 597m 最初のトンネルは長く、出口が遠くに小さく見えるだけで、中は真っ暗。 足元は木道になっていく事が、歩く音で分る。 高さ160cmで、頭をぶつけない為に、少し前かがみになって進む。 出ると再び短いトンネル2つがある。 間に観音様が祀ってある。 トンネル出口に木馬トンネルの説明板がある。 そのまま道なりに降って、キャンプ場の横を通り、南側の駐車場に出て、橋を渡り、車まで戻る。
  寂地峡駐車場 15:00 476m 南側の駐車場は広く、半分程度の空きが有ったが、車を停めている駐車場は、ほぼ満車状態で、観光客が溢れていた。 トチの実と言う秋の収穫もあり、なかなか満足の行く山行でした。 脚の筋肉痛が少しこたえるので、連休でも山は少し遠慮しとこう。



登山ルート。


  

犬戻歩道入口。                       最初に見えてくる滝と犬戻峡の渓谷美。
コンクリートの味気ない遊歩道。              この滝の上を歩く、木道が設置されている。


  

犬戻の滝。                 左側写真の右側に流れ落ちる所に近づいて写す。


  

林道終点からメウゼン川に掛かる            延命水。
コンクリート製の橋を渡ると                苔生した岩からポタポタと雫が落ちてくる。
寂地山への登山口だ。                  コップに溜まるまで2〜3分の休憩となる。


  

寂地山頂上。                        寂地山頂上の太いブナの木と、そうさい神社。
展望は無い。                         山口国体の石柱。


  

太いブナの木がある、稜線上の縦走路。        稜線から見える、冠山(だと思う)。




右谷山頂上三角点。


  

寂地峡の滝。                木馬(きうま)トンネル入口。
                        最初のトネンルは暗く長い。
                        出口が小さく見えているだけ。


  

2つ目の木馬トネンル。                   3つ目の木馬トンネルを出たところから写す。